国産松茸を年に一度はご家庭で!

きのこの正体

きのこの発生

 きのこは、古くなったパンなどに生えるカビと同じ菌類の仲間です。カビを顕微鏡で見てみると、1000分の数ミリの細い糸(菌糸)が絡み合って、その先端に胞子と呼ばれるタネがつくられています。
 きのこ本体も実はカビと同じで、細長い菌糸を、私たちが普段目にすることのない森や林の地面の中、あるいは枯れ木や落ち葉の中に繁殖させて生活しています。松茸は松の根から、椎茸やなめこは枯れ木から、ムラサキシメジは落ち葉を腐食させながら養分を摂取して生きています。
 そうして春や秋になり、胞子を成育させるのに適した温度、湿度などの環境条件がそろうと、きのこという花を咲かせ、胞子という種を作り、子孫を広げていくのです。

菌の分類

 きのこは生活の仕方、つまり栄養分の摂取方法の違いによって活物寄生菌、木材腐朽菌、腐生菌などのグループに分けられます。
○活物寄生菌は、松に寄生する松茸に代表されるように、生きた木の根に菌糸を伸ばして菌根をつくり、栄養を摂取しているきのこのグループで、菌根菌とも呼ばれています。
 そのため活物寄生菌では、樹木の種類とそこに発生してくるきのこの種類に密接な関係があります。きのこ狩りのプロ・名人は、森を見て、発生するきのこの種類をあらかじめ知り、目的のきのこにあった探し方をします。
○木材腐朽菌は、シイタケエノキタケなど倒木や枯れ木から発生するきのこのグループで、多くの種類が人工栽培されています。
この仲間にも、マイタケとミズナラ、マツオウジと松などのように樹木の種類と関係があるものが多く、それらの関係を知ることがきのこ狩りの上達につながります。
○腐生菌は、落ち葉に菌糸を繁殖させて分解するもの、あるいは樹木とは関係のない場所に発生するものなど、地中に埋もれた有機物を栄養源としているきのこのグループです。

きのこの生え方

 きのこの生え方は、きのこの種類によってある程度決まっています。
 1本1本生える単生、何本も群がって生える群生、株状になって生える束生、連なって生える列生など、いくつかの生え方があります。輪状になって生える場合は菌輪と呼んでいます。
枯れ木から生えるきのこでは、マスタケムキタケのように横から生える場合を側生と呼んでいます。